006 Lマウントに震える

先日は9月も25日、秋晴れのケルンでカメラ業界を震撼させる、もしくは興奮の渦中に嵌めるような発表が相次ぎました。photokina2018の全プレスリリースをようやく聞き終えました、もちづきです。

 

さて、私事ですがこの度X-H1を購入しました。キャッシュバックキャンペーン滑り込みセーフ!さらに少しお安く買えました。我ながらなかなかうまい買い物をしたなど、ガラにもなく満足度が高いです。IYHerとしてのクンフーを積み、いつか一流になる…いやその前に写真を一流にせねば、など楽しい悩みの尽きぬこと。これからどんどん使い込んでいこうと思います。

 

さあ、今回はphotokinaに関する記事第一弾ということでLマウントについて、まあ遍くこれからのミラーレスに関して考察を行っていこうと思います。これから書くことはあくまで私の1意見に過ぎず、もしこれとは違う見解を読者の皆さまがお持ちだとしてもそれが間違いというわけではございませんし、否定するつもりは毛頭ございません。これだけを念頭にお楽しみいただければなとささやかに思います。

 

さて、こちらの時間で19:10ほど、パナソニック、シグマ、そしてライカの代表者が登壇し、L-mount allianceが発表されました。ライカSL、TL、CLなどに用いられていたマウントを名前を改めLマウント、としてこの3社がタッグを組み、この各社のミラーレス戦国時代に切り込もうというのです。

 

SLと言えば未だどのカメラも及ばぬ高精細なEVF、そしてミラーレス=小型軽量というαによるミームを打ち破る、まさにライカらしいミラーレスの新定義を打ち出すような1作でした。これが2015年のこと。

それから3年、NikonCanonと言った一眼レフ2強のミラーレス参入、FUJIFILMSONYの定礎が終わり、見切ったように発表されたLマウント。誰が予想し得たでしょうか。まさに青天の霹靂も良いところでした。

 

そんなLマウントの特徴をまとめると

  1. SLを始めとする比較的大型な製品群
  2. 伝統のライカ、技術のパナソニック、革新のシグマという異色な取り合わせ
  3. SGV(SIGMA Global Vision)による多彩なレンズ群、既存のライカレンズの公式サポート
  4. Panasonicの得意とする動画、シグマのFoveonがフルサイズ…など多彩な特長を持ったボディをマウントを変えずに使用可能

と言ったところでしょうか。すでにPanasonic S1 S1R、シグマからはLマウントフルサイズfoveonセンサー搭載機の開発が発表されています。S1は来年の早いうちにも発売日などが明らかになるようで、細かいスペックも楽しみなところです。

 

そしてどうしてこのシステムがゲームチェンジャーに当たるか、なんで今業界の人間がわなわな言ってるか、というと「初期での完成度の高さ」にあります。

 

ミラーレスというとフランジバックが短いものが多く、最近ではその特性を活かしマウントアダプターを用いてオールドレンズを使おう、なんて言って中古カメラ屋が沸き立っております。それは最新のレンズもそう、シグマのMC-11やfringerに代表されるAFマウントアダプターなるリーサルウェポンも存在しております。

 

ただ、そういったものはテレコンバーター同様「抵抗」になります。また、マウントアダプターを介してフランジバックがあったとして、レンズとボディの間で情報が伝達可能になったとして、技術的無理が発生するものです。SGVのレンズはMC-11を使うことも念頭に置いて作られたといいますがそれも純正やネイティブマウントのAFには遠く及ばず、AF-Cなどはとても比較して使えないようなものになっております。当然の道理と言われるとそうですね。

 

しかしこれを片手に悪魔が囁きます。「今までのレンズが使えるよ」「いつまでプリズムファインダー覗いてるの」「MFでの追い込みもしやすいよ」「はやくこっちにおいでよ」…とか。そうやってαはユーザーをつけ、2強によるフルサイズミラーレスの発表から見切り発車で12本もの新規レンズの開発を発表し、いよいよユーザーを本当に引き込む段階へ入りました。NikonCanonに関しては同社F, EFマウントをZ, RFマウントにつけられるようなマウントアダプターを開発。ニコンはボディと同梱したキットを発売しています。

 

やはり新マウントが苦慮する最大の壁、それはレンズバリエーションにあります。新マウントへのユーザーの不安、会社側の不安、とりわけ長い時間を経てきたマウントをバッサリ切る、そして工場ラインを一気に新しいものに変えるなどという立ち回りは到底できないものですし、買われるかどうかもわからないのに突然幅広いレンズ群を発表できるような事はありえないのです…シグマが噛んでいなければ。

 

シグマはサードパーティとして生計を立てています。SAマウント(開発終了宣言済)を保有しておりますがそれは微々たるもの。主にF, EF, Eマウントのレンズを提案しておりました。また、マウント交換サービスを行っており、同社のレンズのマウントをつけかえる、レンズは資産だという主張を体現したシステムになっております。

 

これは私の推測に過ぎませんが、おそらくS1, S1Rの詳細が発表されるころ、LマウントネイティブのSGVレンズ、果てはLマウントのMC-11が発表されると思います。今までミラーレスが小さすぎて苦悶の日々を過ごしておられた方、耐候性への懸念からあまり外に持ち出せなかった方、そんな方に射す光、それがLマウントシステムです。

 

少々信者じみた言い方ですが、本当にLマウントはミラーレス界のゲームチェンジャーと見ております。Z, RFにユーザーがつく前にその座を奪えるのか、数年後の家電量販店でどのメーカーが大きな島を取るのかというのが楽しみです。

 

今のところ私はS1+フルサイズfoveonを見ております。S1Rが8Kをカバーできる画素数を持っていることもなかなか気を引きますが、Dual ISO技術でどこまで高感度を登りつめられるかということからS1、foveonが気になっていた、でもSAマウントのみ…というジレンマから開放されたためこのような取り合わせを検討しております。買う頃には変わってるかもしれませんが。

 

とかくこれから最もマークしたいマウントになりそうなのは明白です…!今後も細かく動向をチェックしていこうと思います。

 

最後に、彼岸も過ぎ寒くなってまいりました。自分もびっくりするほどひどいこむら返りに見舞われ身悶えしてしまうことがしばしば。ゆったり休息を取りつつ、秋の景色も撮りつつ、冬支度をしてまいりましょう。それでは。